香料トリビア

ここでは、香りや香料にまつわるこぼれ話や雑学を紹介します。香りに関するボキャブラリーを広げるクイズもあります。

クレオパトラとアントニウス

「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史は変わっていただろう」とはパスカルの有名な言葉。もちろん、アントニウスを手玉にとっている女王の類まれな美貌を指しているのですが、彼女の香水好きは、もしかするとその高い鼻のせいだったのかもしれません。
クレオパトラがアレクサンドリアの宮殿にアントニウスを迎える時には、宮殿の廊下に18インチ(約45cm)の高さまでバラの花をいちめんに…。いかなる美人といえども、恋に香りはかかせない大切なものなのです。

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魅力的な夜の香り

平安時代の結婚は、いわゆる通い婚。夜になると男が女の家や局(殿舎の中にあり、しきりを隔てて設けた部屋)に通い、愛をたしかめた後、明け方まだ暗くて相手の顔がハッキリと見えないうちに帰るのがならわしでした。
そこで重要な役割を果たしたのが香り。重ね着をした衣に焚きこんだ香りは、たんに身だしなみというだけでなく、女性にしてみれば自分のことを相手にしっかり記憶してもらうための大切な方法。男性にしても自分の妻の香りを頼りに真っ暗な家の中へ忍ぶわけですから、鼻がつまっていたら大変なことにも…。
今も昔も、明りを消した愛の時間を支配するのは「香り」なのですね。

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モンローとシャネルNo.5の後日談

香水の話題となると、必ずといってよいほど引き合いに出されるのが、今は亡きアメリカの女優マリリン・モンローとシャネルの№5の話。ある時、新聞記者が彼女に「夜は何を着て寝るのですか?」と質問したところ、「3滴のシャネルの№5よ。」と答えたとかで有名です。  しかし、この話の後日談はあまり知られていないようなので、ここでちょっとご紹介を。
モンロー発言の後日、ある大手の女性下着メーカーの経営者が彼女を訪ね、「あなたのあの言葉のためにわが社は多大な損害をこうむりました。おそらく何千人という社員が職を失うでしょう。アメリカの女性たちはもう、寝間着など見向きもしなくなるでしょうから」といって彼女に損害賠償を要求しました。といっても、それはお金ではなく、彼女に対し「報酬を支払うから、持参した布切れに唇のあとをつけてほしい」ということでした。モンローは説き伏せられて、布にルージュのあともくっきりとしたキスマークをつけました。
満面の笑みをたたえて布を持ち帰ったその経営者は、彼女の唇のあとを大量の布にプリントし、女性用のならぬ、男性用下着に仕上げてしまいました。当時のアメリカの男性は、この幸運の下着をそれこそ奪い合いしたそうです。

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香りの言葉

Q1:ニオイは言葉に表すのが難しいものの一つです。ニオイを示す言葉を挙げてください。
「香り」、「薫り」、「馨り」、「匂い」、「ニオイ」、「臭い」、「におい」、「臭気」、「芳香」、「馥郁」などの言葉が上げられます。これらの言葉は、微妙に私たちは使い分けています。この設問は、その言葉への思い入れや、ニュアンスの違いを感じ取ってほしいがための設問です。  英語でもいろいろな言葉で表されることが多いです。
aroma、odour、fragrance、flavor、smell、perfume、flavoring、volatile compound
Q2:ニオイの性質を表す言葉を探してみましょう。
甘いニオイ、酸っぱいニオイ、腐ったニオイ、焦げたニオイ、おいしそうなニオイ、花のニオイ、石鹸のニオイ、シャンプーのニオイ、香水のニオイ、タバコのニオイ、おやじのニオイ、危険な香り、夏の香り
ニオイを表す言葉には、感覚に基づいた言葉や、具体的なものに例えていう言い方や、香料用語などがあります。上記以外では例えば、
温かい、冷たい、柔らかい…などの触覚を用いた言葉
明るい、爽やか…など抽象的なイメージで表す言葉
さらに、香料用語では、「シトラス系」「スパイス系」「シプレ系」など専門的な用語があります。

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