香りのふるさと

食べものや料理の香りはお国柄や民族の嗜好をよく表わします。日本人にとってはとても食欲をそそる香りが、ほかの国の人にとっては我慢ならないものだったり、もともと自分たちの食生活にはなかった香りを上手にとり入れている国があったりします。
日本の食品の独特な香りといえば、味噌・醤油に代表される発酵食品のにおい、そして鰹や昆布のダシのにおい。炊き立てのご飯にダシのきいた味噌汁のにおいは食欲をそそります。一方、欧米の人々は焼きたてのパンや、バター、チーズのにおいが好き。牛や羊の肉とミルクを中心とした食生活の長い歴史があるからです。そして東南アジアの国々ではさまざまなスパイスの混じり合ったエスニックな香り。韓国では本当に多くの料理に使われるニンニクが代表選手でしょう。
最近は欧米人の食卓に醤油が盛んに使われたり、日本の食卓にさまざまなスパイスが登場したりして食文化の広がりを見せていますが、何気なく食べている食事も、香りのふるさとを考えながら食べると、いっそう興味深いものになります。

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