日本では外国文化を受け入れる体質が強いためか、食に関してもあらゆる食文化、食材が入ってきています。そのために豊かな食文化風土が生まれて互いに刺激しあっているともいえます。その一方、日本固有のものに対して接する機会が少なくなってきているようにも思え、憧憬が希薄であるとも言えます。外国に行くといかに日本のことを知らなかったかと思い知らされることが多いと思います。日本に生まれたからには日本の食・和の香りを知り、多く触れてほしい。そういった願いを込めて、日本固有の和の食の香りについて述べていきます。
第一部では、以下のような構成で三つのものを対比させて取り上げます。